Ｗ・ブラッティ
作戦開始五分前。サイエンスカンパニー正面門前。


門が開いた。


悠介たちは門から少し離れた角に車を停めている。


外からは体格のいい警備員が出てくる。皆一様に黒ずくめ。顔を隠し手には銃のようなものを持っている。それを見た麻耶が苦笑いをする。


「確かにあいつらと争っていたら、私たちが先に死んじゃうね」


　慎次と麻耶は動きやすいよう長袖のジャージにカーゴパンツ。やはり上下黒だ。麻耶は左手にノートパソコン。悠介は右手にダガ―ナイフを持っている。


「どうして上下黒に統一しているんだ？」


　悠介が疑問になる。それは玲菜が答えた。


「だってかっこいいじゃない！？アクション映画みたいに！」


　悠介と麻耶がため息をつく。下手をしたら顔を見るのが最後かもしれないのに。


　良太が大きな声で笑う。


「ガチガチになるなって。大丈夫だ。お前たちなら出来る。」


　そう言って時計を見る。二時丁度。作戦開始だ。


　良太はパソコンを開くと、慣れた手つきでキーボードを打つ。門を開けるためだ。画面は次々と変わっていき、最終的にクリアーと表示される。


「これで門が開いた。二人とも頑張ってな」


　二人は頷いて、車を降りた。その様子をずっと玲菜と良太は見届ける。


「成功するわよね？」


「当然だ」


　そう言って良太は玲菜を抱きしめた。
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