大人の恋愛事情

私は、テストの事なんて忘れるくらい浮かれてた。


『きっと、喜ぶって!男って、こうゆうのに弱いはずだから~~~』

グチグチ迷う私に、そんな事を言ってくれた美和子。

『弱いはず』って言う所には、少し心配だったけど『大水さんに渡す!!』私は、そう決めた。

タルトは、お持ち帰り用に配られたビニールに入ってた。

でもこのまま渡したんじゃ~味気ない。

私は、終了のチャイムと同時に教室を飛び出した。


町で可愛いラッピングを選ばなくっちゃ!!

喜んでくれるかな~?


弾む様な足取りで私が探したのは、淡いクリーム色に少し透かしの入った紙のケースだった。

ピンクや、ハートの模様のケースも目に付いた。

でも、大水さんがそれを持ったら・・・と、考えると噴出した。

もはや、一人芝居!!

お店の中で『プフッ』と噴出し、タルトの入った紙ケースが鏡に映るとニタついた。


そんな自分に『ハッ!』と気付いて・・・・。

わたしどうかしてるよ~。




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