パパとママだけのヒミツのお話


耳に入ってきたのは低い男らしい声。


「あの~?」


2回目の呼びかけで仕方なく振り返ると


うそ・・


あたしを呼びとめたその人は


想よりも大きな身長。

がっちりした体格に

紺色のスーツを着ていて

少し茶色の短めの髪が顔の小ささを強調している。

極めつけは整った顔立ち。


こんなカッコいい人があたしに
こんなところで何の用なんだろう?



「あの?」

どうも自分の世界に入っていたみたい。


彼があたしの顔を覗き込んでいる。

「あ、すみません。何か?」



あまりにもかっこよすぎて顔を見ることができない。



「あぁ、ごめんね。あのさ、犬のフン、踏んでるよ?」




は???




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