パパとママだけのヒミツのお話
2
そう言って差し出したのは小さな箱。
「?」
それが何なのかイマイチ理解が出来ない。
「まだわかんねぇのかよ」
はぁと大きくため息をついて
その箱についていたピンクのリボンを取る。
急に何を思ったのか
「あ、あたし宿題思い出したわ」
花があたし達のやり取りを見て
ソファーから立ち上がりリビングを出て行った。
・・花まで一体どうしたのよ
そうこう考えてるうちに
「お前まさか今日が何の日か忘れたわけじゃあねぇよな」
目の前には少し不機嫌な顔をして立っている旦那さま・・
「え~と・・今日は」
想の誕生日でもなければ
あたしや花の誕生日でもないし・・
「呆れた」
「そんな事言ったん!!」
最後まで言わせてくれないのは
あたしの唇が想の唇で塞がれているから。
さっきまで怒っていたはずなのに。
イライラがなくなっていくのが分かる。
甘い甘い蕩けるキスは
いつだってあたしをドキドキさせる。
夫婦になって暫く経つのに。
このドキドキは一体いつまで続くんだろう。
そんな時に感じた左手の違和感・・
「今日何の日か思い出した?」