パパとママだけのヒミツのお話
パパとママの結婚式
1
「それでオレに来たわけ?」
目の前に座ってストローの入った袋を器用に結びながら
面倒そうに上から目線で言い放つのは元クラスメートの男。
ホントはコイツにだけは一生頼みごとを
することはないって思ってたけど。
「まさかあの青山がオレを頼る日が来るなんてなぁ」
・・・俺だって一緒だっつーの。
「・・・」
「天才青山も一人ではどーにもできない事があるんだな」
「・・・」
殴りたい
今すぐコイツを殴りたい・・
「いや~でもさ青山くん♪」
テメー、調子にのんのもいい加減にしろよ
「いくらお前が俺を頼りにしたいとはいえ」
「もう、いい」
もう我慢の限界
やってやんねぇな。
ガタンと勢いよく席を立ち、財布から千円札を一枚取り出して
テーブルの上に置いた。
「い、いいのかよ。協力しなくて」
俺の行動に急に慌てだす高橋。
今更遅いんだよ。
それに
「誰も協力してくれるのはお前だけじゃないしな。」
フッと笑って今度は俺が高橋を見下ろす。
「な、何が」
「大木の奴が聞いたら残念がるだろうな。
友達の頼みも聞いてくれないなんて」
「ちょ、おま」
「別にお前達が別れたって別に俺には関係ないしな」
さすがに言いすぎって思ったけど
でも俺も今回はどうしてもコイツに協力をしないと叶わない事がある。
その為なら手段も選んでらんない。