私の大好きな人
そのまま解散になって
みんなが帰った。

私と先生は残った。

「天音。ごめんな。
気づいてやれなくって。」

「いいんです。」

「だから俺の携帯を
拒否していたのか?」

「う・・ん・・。」

「佳世、
中山の事どう思った?」

「好きな人を振り向いて
欲しいために手段を選ばない。
何だか似ているね。絵梨さんと。」

「ああ。似てるな。」と

先生は私を抱きしめた。

「先生、見つかったら。」

「見つかってもいい。
泣いてもいいぞ。佳世。」

と優しく言われた。

そしたら我慢をしていた分
大声で泣いてしまった。

主役を変わって後悔もしたし、
巧に話せなかった辛さが巧の温もりで
全て溢れて出してしまった。



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