トモコイ。
「月島ァ!!」
担任の先生の怒号が朝の町に響きわたる。
その声に驚き、電線に止まっていたすずめがとびたった。
「お前、遅刻は何回目だっ!!」
「2回目です。」
「違うっっ!!もう18回目だっ!!」
「オレの年と一緒ですねー」
「ふざけるなっ!!」
のらりくらりと先生の言葉をかわしていくオレ。
ふと、腕を見れば、腕時計がもう10時32分になっていることをつげていた。
「先生ー。もう2時間目になってるんですけど。オレ授業に遅れちゃいます。」
「お前がこの校門前に来た時に、すでに10時30分だったぞ。」
あまりの怒りに担任の顔は、赤から青に変わっていた。
しばらくは、解放されそうにない。