トモコイ。

がっくりきていたところに、親友の声が響いた。


「あっきっらぁぁぁっっっ!!お前また遅刻かよっ!!」


校門と校舎は数十メートル離れていたが、新友の声はよく聞こえた。もちろん先生の耳にも・・・


「こらぁぁっ!!大滝っ!!キサマ授業中だろっ!」


先生もだいぶ年がいってるというのに、負けず劣らず大声で怒鳴る。


「すんませぇぇんっ!!でも、今ウチのクラス自習中っすよー。」

「そうだったか・・・?」

一瞬オレから意識がそれる。オレは見逃さなかった。

「今だっ!!章っ走れっ!!」

「はっ?」

「んじゃっ、失礼します先生。」

「んなっ!?」


ボーゼンと立ち尽くす先生。
オレはその横を走りすぎる。
だが、先生も負けていない。すぐに追いかけてきた。


「月島っっっっ!!」

「先生!もうお若くないんですから、歩いてきてくださぁぁい!」


途中まで追いかけられたが、やはり年の差。
あっという間に引き離した。




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