ガチャポンな彼女
ちっちゃい美少女が泣いていた。

フローリングの上にぺったんこ座りで顔を覆っている。



「いや…ごめん。何も泣かなくったって…」



俺は生身の女の子とまともな精神状態で口を聞いたことなどない。

いつだっててんぱった状態でアヘアへ言いながらなのに。

だから泣いている女の子なんてはじめてで。

俺はすっかり狼狽しきっていた。


「だって…。私、行くところないの。ここ追い出されたら、野良犬や野良猫にかじられちゃうか、拾った子どもに腕を引きちぎられるか…。それどころか私が人形じゃないって気づいた変態親父にエッチなことされちゃうか…」

「え、えっち???」



確かに彼女はミニチュア版の美少女だ。

動くフィギュアだ。

変な奴に拾われたら、きっとあんなことやこんなことされて…。

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