ガチャポンな彼女
とにかくだ。

俺はミワリンのことだいすきだけど、ある一定の距離を保っておかないとだめってこと。

隠し撮りした彼女の写真を眺めているときが最高に幸せで、生身の彼女に触れるのはご法度というか、なんていうか、刺激が強すぎると言えばよいだろうか。


俺は携帯のなかの永久保存版ミワリンを開く。

「やっぱ、こっちだよ」

画面の中の彼女は風にまくられないように少し前かがみでスカートを押さえている。

少し恥ずかしそうな、困ったような表情がたまらない。

本当は待ち受けにしておきたいんだけど、誰かに見つかったら犯罪者呼ばわりされかねないので仕方あるまい。



「でもさ、おまえこれからだって係りの仕事あるんだろう」

「そうなんだよ。そこが問題なんだよなあ」


高二になってやっと彼女とおんなじクラスになった。

まさか係りまで一緒になるとは…。



「贅沢悩みだけどな…」

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