ガチャポンな彼女
俺は軽部と別れて、自転車を漕ぎ出した。

幸い股間のほうも落ち着いたし、問題はない。


「春だなあ」

風は爽やか、天気はいいし、最高だ。

快調に自転車を飛ばしていると、路地から人が飛び出してきた。


「うわっ!」

あわててブレーキをかけ、なんとかその人をよけようと試みる。

すると、自転車はぎりぎりのラインで止まっていた。

顔を上げると、目の前に、でっぷりした中年の男がいる。

「危ないじゃないですか」ととがめようとしたが、俺は言葉を失った。





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