★秘密のイケメン執事さま。★
「タロちゃんって何でこんなに日本語上手なの?」


遅くなったので、ゲームも終わりにし、私が伸びをしながら、ベランダに出ると、タロちゃんも後についてきてくれた。


「何年かかけて、みっちり日本語の特訓を受けましたから」

「何で?」


「・・・え?ええ、まあ・・。結構、日本語は難しくて何回も挫折しそうになり、正直辛かったですね」


「そうだったんだ」


もう深夜。

外は静まり返っていて、声も自然と小さくなった。

「でも、最近あの頃のことはどうでも良くなってきてしまいました」

「え?」


タロちゃんの優しい眼差しが私をそっととらえた。


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