小さな街のドアベルマン

鐘の音 ベルの音

翌朝、いつものように目覚めたベルは、窓から差し込む光をカーテンで遮りました。


昨日から点けたままの明かりを消して、ベッドに座り頭の上から、毛布をかぶりコーヒーを飲んでいました。


今日は休もう。


そう決めたベルは、しばらくボーっとしていました。


ホテルには後で掛けよう。
そうだな…理由は風邪にしよう。
それが一番いい。


そんな言い訳を考え、ベッドで丸くなっていると、大きな音を立て電話が鳴りました。


ベルは毛布を被ったまま、受話器を取りました。


『はい。』


その電話はホテルからでした。


ベル?
どうしてまだ家にいるの?》


『あの、今電話しようと思ってたんです。
ちょうど良かった。』


電話の向こうでは、ベルの返事に困惑する従業員の声が聞こえました。


ベル、何かあったの?》


『いえ、ちょっと風邪気味で…』


そう。
お客様がベルが居ないけどどうしたんだ?!って聞いて入らしたから、慌てて電話したのよ?》


『そうなんですか…
それは悪い事をしたな…。』


風邪ならしょうがないわよ。》


『あの、』


ベルには一つだけ聞きたい事がありました。
それは…


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