小さな街のドアベルマン
その夜─
夕方の鐘がなり、暗かった空が一層暗くなり、雨は朝よりも激しさを増していました。


そんな時でもベルは、仕事場を離れる事はありませんでした。


雷が鳴らないだけまだましだ。
そんな事を考えるほど、雨、風、台風には慣れているのです。


ですが、こんな土砂降りになってしまっては
お客様も来ません。


ホテル側からは、「もう上がっても良いわよ?」と言われていましたが、ベルは
『まだお客様がいらっしゃるかもしれませんから』とそれを断りました。


< 23 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop