狼×天然SS【文庫化記念】
そのあとは声にならない驚きで1人で目を大きく見開いてるだけだった。
だけど、次の瞬間には地響きがするんじゃないかってくらいの、
ほんとにコレあたしの声なの?って疑っちゃうくらいの、
尋常じゃない大きさの声がお店の中に響き渡った。
「きゃあぁあ!!!!」
周りにいるお客さんの視線があたしに向けられてるのが分かって、更に恥ずかしくなった。
けど、それは舜も同じだったみたいで………。
「こっち来い」
そう言われて、腕を引っ張られてトイレがある角に連れてこられた。
やっと人目のつかない場所に来れたと思って、捲れたスカートを直した。
「大声出すなよ」
ポカって軽く私の頭を叩いた舜の頬はほんのり赤くなってた。
やっぱり舜は、彼女のあたしが恥ずかしい行動をしたから、彼氏として恥ずかしいんだって思った。
.