狼×天然SS【文庫化記念】
「あれ!あれ可愛くない?!」
棚に並ばれてる1つの黄色のワンピースを指差したあたしは、小走りでそのワンピースがある棚に向かった。
「さっきまでの低かったテンションはどこいったんだよ」
いつものように人をバカにしたような感じでそう言う舜は、あたしを見て軽く笑った。
「な、何よっ」
「ん?別に?」
人の顔見て軽く笑っといて『別に?』は無いでしょ!!
人がせっかく次のデートで着る洋服を探してるっていうのに………。
「……それ?」
「え?」
「それ欲しいの?」
あたしが指差した黄色いワンピースに視線を向ける舜。
………あぁ、これのことか。
ただこの黄色いワンピースは黄色くて目立ったから指差しただけなんだけど………。
いまさら、そんなことを言えるわけもなく。
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