狼×天然SS【文庫化記念】
舜は黄色いワンピースを手にとり、『試着してみれば?』と言った。
『試着してみれば?』と聞かれたからには試着してみないといけないから、
あたしは近くにいた店員さんを呼んで、試着室で黄色いワンピースを試着することにした。
今日着てきたフリルのついたキャミソールと1番気に入ってるジーパンを脱いで、ワンピースを着た。
案外着てみると、最初見たときは黄色くて派手だなって思ってたワンピースが、
淡い黄色だからか、清楚な感じに見えて、そんなに派手には見えない。
試着室にある全身鏡に写る黄色いワンピースを着てる自分を見て、少しびっくりした。
……これ……あたし?
あまりにもこの黄色いワンピースが似合ってる自分が目の前にいて、びっくりした。
こんなにも似合ってるワンピースを今までに着たことがないってくらい似合ってるこのワンピース。
たまたま目立ってて目に入ったから指差しただけなのに………。
数秒だけ、全身鏡に写る自分を眺めていた。
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