狼×天然SS【文庫化記念】
ゆっくりと舜があたしに近づいて、あたしの顔をジッと見つめてきた。
な………なに?
もしかして『やっぱりな』って言った意味って、やっぱり似合わないなって意味だったりする……?
だからこんなにあたしのこと見つめくるの?
だよね……。
あたし自身が似合ってるって思っても、舜から見たら似合わないのかも。
ましてや、目立ったから指差しただけの黄色いワンピースを着ただけだしね………。
きっと優しく笑ってくれたのだって、あたしがあまりにも似合わなすぎだから、気を遣って笑ってくれたに違いない。
そう分かり始めたら、似合わないワンピース着て、『どう?』なんて恥ずかしがって聞いた自分が恥ずかしくなってきた。
だから、もう脱いで他のお店に行こうって考えてたのに………。
「じゃあ、着替えて…」
「似合ってる」
「…く…る……って、え?」
…………。
………に………
………似合ってるっ?!
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