*+サクラの二人+*
愛莉は、私なんかと比べものにならないくらい美人になっていた。
県内でも制服目当てに受験する生徒の多いこの高校。
それを、愛莉が着ると・・・
制服×(愛莉+美人)=美人+α
という公式ができる(というか出来てる)。
地味な私と違って愛莉はモテるんだろうなぁ・・・
『なに見てるの??』
「ぇっ!! ぁ~・・・っと。」
『・・・格好いい人でもいた??』
ぼそっと愛莉は私に言う。
ぼーっとしていた私はいきなりで返す言葉がぁ・・・
「ぇ・・・・と・・・サクラ・・・。綺麗だな~と思って。」
ふゎっと春風に乗せられて花びらが舞う。
あれ??
桜の木の下に誰かいる・・?
ブレザーに花を付け、ネクタイを揺らしている人。
茶色っぽい黒髪が、風に揺れてる。
『ふぅ~ん・・・あの木の下にいる人が綺麗なのぉ・・・
ゆずにも春到来??!』
木の下の男の人を凝視し愛莉が言った。
「え!! 違っっ」
『へぇ。ゆず、趣味いいじゃん♪』
「違うってばぁ・・・」
その時、チャイムがなった。
やばっ、入学式もうすぐ始まる!!!
「いそご!!愛莉」
『うん!走るぞぉ!!』
春風と共に走った。
空中の桜も、風と一緒に舞った・・・