初恋物語
『で、話戻るんだけど…………今日泣いただろ?』
  
慎一はウチの顔を見ながら言ってきた。 
 
  
  
  
  
  
  
  
  
……やっぱりそのことか…。 
  
  
  
 
  
  
『……慎一ってばしつこいよ?泣いてないって!』
  
  
  
ウチはまた嘘ついた。 
  
  
  
  
  
  
  
もう…すぎてしまったことをどうこう言っても、しょうがないしね……。 
それに慎一に言ったら、 すごく心配するに決まってる。  
  
  
  
  
  
  
  
『…本当のこと言えって!!』 
  
  
慎一が怒鳴ってきた。 
  
  
   
ちょっとびっくりしたんだよね。 
  
  
  
『……………………。』
  
ウチはあくまで口を開かなかった。 
  
  
   
  
  
  
  
『…俺には言えないってことか…。俺じゃ頼りにならないのかよ!!?』
  
  
  
慎一がウチを壁に押しつけて、ウチの腕を強く握った。 
  
  
  
  
『…慎一痛いっ…!!』
  
  
『答えろよ!!』
  
  
慎一にウチの声は届いてないらしい……。  
  
  
  
  
  
 
  
慎一怖いよ……? 
  
何でそんなに 
怒ってんの?? 
  
いつもの…… 
いつもの  
慎一じゃないよ… 
  
  
  
ウチが慎一が何故この時 こんなに怒ってたのか 
知るのは  
  
もうちょっと 
後の 
話……。
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