初恋物語
『…何そんな大声だしとーとや??慎一。』
  
光輝が慎一の部屋に入ってきた。  
  
  
  
  
『…………。』
  
慎一はシカトしている。 
  
  
『由希ちゃんを離してやりー?痛がっとるやないか。』 
  
  
『…光輝には関係ないだろ……。』
  
慎一がボソっと言った。 
  
  
『……関係なくもないけど、由希ちゃんだって辛かったんだから、言いたくないに決まっとろーが。それを聞いておまえが由希ちゃんに何かしてやれるとや?』  
  
その時慎一が光輝の言葉に反応した。 
  
  
  
『…光輝はコイツが泣いてるわけ知ってんのかよ!?』 
  
  
  
一瞬に光輝がヤバっていう顔をした。 
  
  
  
  
『……だから俺がいいたいのは…』 
  
『知ってんのか、知らないのか聞いてんだよ!』
  
  
3人の中に沈黙が流れる。   
  
  
  
『……知ってるけど…。』   
 
光輝が慎一に言った。 
  
  
  
『……なんだよそれ…?光輝には言えてなんで俺には言えねんだよ!?』 
  
慎一がウチに怒鳴った。 
   
  
『やめとけ。慎一…。由希ちゃん怯えとるやんけ。』  
  
光輝がウチの前に来て庇ってくれている。 
  
  
  
  
  
『…………。』
慎一が黙り込む、 
  
  
  
『……しかも、俺だって由希ちゃんから聞いたんやない。たまたまその現場を目撃しただけや。』
  
  
『……………。』
 
慎一は相変わらず黙ったままだ。 
  
  
  
『……光輝ちょっと部屋から出てってくれない?』
  
ウチは光輝にお願いした。    
  
『なんで?』 
  
光輝が言った。 
  
  
  
『慎一と2人で話がしたいけん。』 
    
  
  
しばらくして… 
  
『わかった。』
 
  
と言って光輝が部屋を出て行った。 
  
  
バタン 
  
  
  
慎一と2人っきりになった。
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