初恋物語
1の3の教室  
  
  
『えっ?由希と光輝先輩ってまじで付き合ってんの?』  
  
『えー超羨ましいんだけど!』 
  
『由希かわいいもんねー…。』 
  
『私、光輝先輩狙ってたのに…‐。』
  
所々でそんな話が聞こえてくる。  




 
『ねー!大島君!本当に由希と光輝先輩付き合ってんの?』
  
  
加奈は慎一に聞いた。 
  
  
  
  
  
慎一は何故かボーっとしている。 
   
  
  
『ねっ!!大島君ってば!!』
  
  
加奈はもう一度慎一に聞いた。 
  
  
  
『……知らねーよ…。』
  
  
やっと慎一が口を開いた。   
  
  
『でもさ、そうだとしたら両思いじゃん?よかったねー☆』 
  
  
  
『…よくねーよ。』 
  
慎一は、ボソっと言った。  
  
  
  
  
  
『えっ?よく聞こえなかった。』
  
  
慎一は次の瞬間、 
勢いよく 
教室を飛び出して行った。 
  
  
  
『…大島君!!……意味わかんないし。』 
  
  
加奈は一人とり残され、 呆然としていた。
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