初恋物語
『……………。』 
  
慎一は黙ってた。 
  
  
泣き崩れるウチの側に黙っていてくれた。 
  
  
  
  
心地よかった。 
  
  
  
ありがとー…  
  
  
  
  
慎一。 
  
  
  
  
今でも感謝してるからー…   
  
  
  
  
『…グスッ…あッ…りがと、も…大丈夫だから…。』     
  
ウチは泣き止みながら 
慎一に言った。  
  
   
 
  
  
てかもう放課後になってた。  
  
  
  
  
  
  
『………俺、今日学級委員の仕事サボるけん、一緒に帰ろ。』 
  
慎一が言った。 
  
  
  
  
『…ありがたいけど、そこまでしなくていいよ。…サボるとか言っちゃダメ!!』  
  
  
『いい。サボる。もう決定したから。』
  
慎一があっさりと言った。   
  
『はぁっ?』  
  
ウチはびっくりした。 
  
  
『帰るぞ。』 
  
  
  
ウチに選択権はないんですね……。 
  
  
  
慎一とウチは屋上を出た。
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