キミの笑顔。
愛すること。
高校二年、夏休みを直前に控えた七月。

クラス替えをして、そわそわとしていた四月が嘘のようにウルサイ教室。

文化祭が終わった今、女子の話題は・・・・恋について。

うちのクラスは、何故か彼氏持ちが多い。

そのせいか、恋話は自然と下ネタになっていく。

今まで何回ヤったとか、月に何回とか、あーすると気持ちいいとか・・・・。

その話が一番盛り上がる。

あたしだってもう16歳だし、多少の知識はある。

だから、一緒に騒ぎながらしゃべる。

でも、実体験ではない。

ヤったことはない。

それどころか、キスも、抱きしめられたことも、手をつないだことも・・・

付き合ったことも、告白したことも、されたことも・・・・ない。

どうせあたしはかわいくもないし、男みたいながっしりした肩幅と力を持ちあわせっちゃってるし。

誰もあたしのことなんて、好きになるどころか女として見てないだろうと思ってきたら、気づいたら16。

今時、あたしくらいだ。

こんな女。


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表紙・目次

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