【BL】背徳の堕天使
佐久浪は無表情のまま、くるりと背を向け歩き始めた。
ついてこいってか。
俺は佐久浪の背中を追いながら、これからのことを考えていた。
このまま終わらせず、次に繋げなければ。
だが、ノーマルとおぼしきコイツに、正直どうしたら気をひけるのかわからない。
俺に興味を持ってもらわなきゃ話にならない。
薄っぺらな自分をどうやって売り込むか……そんなことを考えているうちに、目的地についたらしい。
佐久浪が迷わず入った扉に俺は絶句し、一瞬入るのを躊躇った。