【BL】背徳の堕天使


「どっか行くはずじゃなかったの?」



俺のその言葉に、佐久浪は寂しそうに呟いた。



「いいんだ、もう」


寂しそうな表情の示す先が気になったが、果たして初対面で突っ込んで聞いていいものか?



そう思っても、俺は自分に正直で。



「どこに行くんだったの?」



口が勝手にきいていた。



「……結婚式」


ぼそりと呟いた佐久浪の顔が、大きく歪んだ。



誰の?とまではきけなかった。


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