【BL】背徳の堕天使


だから、佐久浪から目をそらしたのに。



「ごめん、初対面の人に言うようなことじゃないよな」

なんて、勘違いしたらしい彼に謝られてしまった。



「なんで謝んの?
あんた別になんもしてないのに」



そう言った俺に、佐久浪は少し驚いた顔をして言った。



「あぁ、まず謝るクセがついてるんだ。

会社に勤めてから身についた処世術ってやつの一部なのかもしれない」



「じゃあ謝ってるわけじゃないんだ?」


「いや、そうじゃなくて……」



そこまで言って考え込んだ佐久浪に、俺は言った。


「別にもういいって」



「え?あ、う~ん……」


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