【BL】背徳の堕天使


佐久浪のアパートは、二階建てのどこにでもある普通の木造アパートだった。


築何年たっているのかなんてことまではわからないが、

少なくとも新しいものでないことは確かだ。


佐久浪はポケットから鍵を取り出すと、ガチャリ、と音を立てて鍵を開け、俺を中に招き入れた。


俺は遠慮することもせず、佐久浪のあとについて部屋へ入った。


部屋の中も、ホントどこにでもありそうとしか言えないものだった。


雑然としてはいるが、清潔そうな小さなキッチン。


おそらくトイレとお風呂に繋がるのであろう、木製のドア。


部屋は二つ。

佐久浪に通してもらった部屋は、男の一人暮らしとしてはなかなか片付いている方なのではないだろうか。


最小限の家具に、統一された色味。


几帳面そうな佐久浪を、よく表した部屋だと思った。


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