【BL】背徳の堕天使
だけど俺は、目を伏せて首を振った。
そのためにひょこひょこついて来た、と思われたくなかった。
それに、見ず知らずのヤツを住まわせる、佐久浪の意図もわからなかった。
佐久浪は、少し安堵したような、やっぱり残念なような複雑な顔をして俺に言った。
「もし遠慮してるなら、そんなものはしなくていい。
それとも、俺と住むのが嫌なら、それは仕方ないけれど」
でも、とつけ加える。
「また時々会ってくれるか……?」
その佐久浪の言葉に俺は、疑問に思ったことをぶつけてみた。
「なんで俺なんかと」
佐久浪はうっすらと笑みを浮かべ、少しだけ泣きそうな顔をした。
「ふとした瞬間の顔が……似ているんだ」