【BL】背徳の堕天使
第二章
1
「ね、瑠唯って女の写真ってある?」
賢杜には酷な話だと思ったが、自分が似てると言われる女の顔に興味があった。
賢杜は、少しためらった素振りは見せたものの、何も言わず立ち上がり、小さなアルバムを手にして戻ってきた。
無言でそっと俺に渡す。
俺は礼を言わずに、軽く頷いてアルバムを開いた。
そこに写っていたのは、優しい目をした賢杜と、俺に似ても似つかない笑顔の女。
パラパラとめくっていると、一枚の写真で手が止まった。