【BL】背徳の堕天使
それは、笑いをかみ殺している瑠唯の写真だった。
似てない……こともない……か?
自分が笑いをかみ殺してるのを鏡で見たりすることはないし、写真にだってあまり写らない顔付きだからあまり自信はないが、言われてみれば似てるような気もする。
おそらく、こういうちょっとした顔が似てるんだろう。
鏡や写真にはあまり見ない、そんな顔が。
他にも写真を見て、それ以外に似てる顔を探したが見つからなかった。
俺は無言でアルバムを閉じ、それを乱暴につき返した。
賢杜は黙って受け取り、アルバムを戻すために立ち上がる。
そしてポケットから財布を取りだし、幾らかの万札を俺に手渡す。
怪訝な顔をした俺に、賢杜は微笑みながら、
「ここに住むために、必要なもの、あるだろ?」
と言った。