【BL】背徳の堕天使


賢杜はこれを隠していたんだとすぐにわかる。


「じゃ、ここに荷物置いて」


突然思考を遮られ、俺は曖昧に返事を返すと荷物を置き、賢杜とリビングへ戻った。


急に話題がなくなって、賢杜も俺も黙り込む。


俺は賢杜が、今日は元彼女の結婚式だと言っていたことを思い出した。


そして、今日は平日。


よく考えれば、普通、結婚式ってのは土日の大安吉日にやるもんじゃないか?


――海外ウェディングということか。


賢杜は本当にただ行くだけのつもりだったのだろうか。


何も荷物を持たず、財布ひとつで海外へ?


< 44 / 98 >

この作品をシェア

pagetop