【BL】背徳の堕天使
その声に、俺は一瞬動きを止めたが、賢杜が本気で拒絶をしていないことは、顔を見てありありとわかった。
こんなときに瑠唯を思い出しているのが、俺に申し訳ないとでも思っているんだろう。
生憎、俺はそんなことは気にしちゃいない。
元々言い出したのは俺なのだから。
だが、罪悪感を持つなら持てばいい。
それだけ俺は、賢杜の心の中に入って行けるのだから。
いつの間にか俺は、賢杜を落とすことにのめり込んだらしい。
いや、落とすことにのめり込んだと思い込みたいだけなのかもしれない。
そんな思考を追い払うかのように、俺は賢杜の唇に触れた。