【BL】背徳の堕天使


部屋の中はぼんやりと、テレビからの明かりで照らされている。


そっと手元にあったリモコンに手を伸ばして白い画面を消すと、部屋は一瞬にして闇になった。


目が慣れてくると、賢杜の姿が気配として見えてくる。


どんな表情をしているか全然わからない。


だがわからないからこそ、出来ることもあると思う。


俺はそっと、賢杜の肌に手を置いて泳がせた。


最初は弱く、触れるか触れないかというくらいに、ゆっくりと指だけで撫でる。


しっとりとした賢杜の肌に羽根のように触れて、そっと唇を寄せた。


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