【BL】背徳の堕天使
じわじわと熱を帯びていく賢杜。
俺の手に、賢杜の指が力なく触れた。
戸惑いをそれに込めたように感じ、俺の心の中で何かが弾けた。
からかいたいような、意地悪をしたいような。
賢杜には見えなかったと思うが、俺は自分の顔に微笑みが浮かんだのがわかった。
何もわからない処女と交わる前のような、そんな興奮を覚える。
同時に、瑠唯の痕跡を消し去りたくて、めちゃくちゃにしたいとも思う。
賢杜に俺を上書きしたい。それは、瑠唯への対抗心──