【BL】背徳の堕天使
時間をかけて疼かせていく俺に痺れをきらしたのか、賢杜は俺に回していた手を離すと、ぎこちなく俺の手を引いた。
俺が彼の望むままに手をやると、艶やかな、少しかすれた声をあげた。
押し込めていた感情がもれているのがわかる。
手のひら全体で優しく包みこみ、昂る激情に少し手助けをしてやると、息をつまらせ押し殺した焦りが伝わってきた。
懇願するかのような賢杜の瞳はどこか虚ろで、細く潤んでいる。
彼のあがっていく息とともに、俺も呼応していく。
一瞬、賢杜の呼吸が、止まった。