【BL】背徳の堕天使
第三章
1
気だるい身体をゆっくりと反転させると、カーテン越しに日が射していた。
あのまま寝てしまったらしく、気づいたら朝だった。
そっと隣を見ると、軽く眉をしかめた賢杜の顔があった。
起こさないようこっそりと抜け出し、キッチンで水をグラスに注ぐ。
勢いよく傾けたグラスから一気に喉に流し込むと、身体に残っていた昨夜の熱のようなものが奥へと沈んでいった。
ふ、と息を吐き、振り返った瞬間、俺の後ろに賢杜が立っていた。
「おはよ」
小さく声をかけたが、全く反応がない。
寝ぼけているらしいと悟り、俺は両手で素早く頬をパチンとならしてやった。