【BL】背徳の堕天使
ぼっ、という音が聞こえるくらい真っ赤になった賢杜。
それを見て俺は、けらけらと笑い声を上げた。
「……大人をからかうもんじゃない」
かすれた声は少しだけ震えていて、怒ったのかと思い顔を見る。
表情に微かに差す影。
触れてはいけない気がした。
きっと今、瑠唯を思い出させてしまったんだ。
そう思ったら、写真の中にいたあの女が、イタズラな言葉を向けてけらけらと笑った顔が思い浮かんだ。
そして、そのことを利用して更に賢杜に近付くチャンスだというのに、俺はそっと賢杜から視線を外した。