【BL】背徳の堕天使


「……どんなヤツ?」



俺のその一言で、半ば交渉は決まったようなもんだった。



男は俺を近くの喫茶店に誘い、俺はついていくことにした。



店に入ると、ウエイトレスが席まで案内し、水とメニューを持ってきた。



男はメニューを開くことなく

「コーヒー」

と言い、仕方なく俺もコーヒーをオーダーした。



ウエイトレスがコーヒーを持ってくるまで、俺達は一言も会話をしなかった。



コーヒーが運ばれ、ウエイトレスが戻っていったのを見計らい、男は一枚の写真を取り出した。



「頼みたいのは、この男だ」



そこに写っていたのは、どこにでもいそうな、ごくごく普通のサラリーマン。



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