【BL】背徳の堕天使
唇を合わせ、賢杜に抱きかかえられるようにして、そのままソファーへと向かわされる。
押し倒されるようにしてソファーに背をつけさせられた俺に覆い被さるようにして、
賢杜がソファーに脚をかけた。
二人ぶんの重みを抱えた木枠のギシリとしなった音が耳に届いて、
俺の心の軋みのように感じた。
落とされた賢杜の唇が俺の鎖骨を撫でて、じわじわと熱を帯びていく。
こんなとき、こんな混乱を抱えながらも、行為を受け入れようとしている自分を少し笑った。
いや、混乱しているからこそ、
頭の中をまっさらにしてしまいたいからなのかもしれない。
俺は全てを忘れるかのように、
賢杜の後頭部に手を回し、自分へと引き寄せて、
哀しいキスをした。