【BL】背徳の堕天使


俺は、ターゲットが住んでる場所や何かを、色々と頭に叩き込んだ。



男とは、連絡先として携帯番号だけをやり取りし、お金の受け渡しについて確認する。



一通り話すと、男は冷めたコーヒーを一気に流し込み、席を立った。



そのまま伝票を持って

「じゃ」

と短く言い残し、レジへと歩いて行った。



俺は一人テーブルについたまま、『佐久浪』とどうやってお近づきになろうか、と思案した。



あまり警戒心をいだかれず、なるたけ自然に知り合うにはどうすればいいのか。



ない頭を捻って必死に考えたけれど、良い案はなかなか出てこない。



まずは佐久浪に気付かれないように、行動パターンを見るか。



何か、取っ掛かりが見えるかもしれない。



俺はコーヒーを飲み干し、店を出た。


< 9 / 98 >

この作品をシェア

pagetop