【BL】背徳の堕天使
俺は、ターゲットが住んでる場所や何かを、色々と頭に叩き込んだ。
男とは、連絡先として携帯番号だけをやり取りし、お金の受け渡しについて確認する。
一通り話すと、男は冷めたコーヒーを一気に流し込み、席を立った。
そのまま伝票を持って
「じゃ」
と短く言い残し、レジへと歩いて行った。
俺は一人テーブルについたまま、『佐久浪』とどうやってお近づきになろうか、と思案した。
あまり警戒心をいだかれず、なるたけ自然に知り合うにはどうすればいいのか。
ない頭を捻って必死に考えたけれど、良い案はなかなか出てこない。
まずは佐久浪に気付かれないように、行動パターンを見るか。
何か、取っ掛かりが見えるかもしれない。
俺はコーヒーを飲み干し、店を出た。