そらとくも〜2つの恋〜
「俺さ、生まれ変わったら美沙の恋人がいいな」
「今なればいいじゃん」
「今はダメだよ。お前もう他の男知っちゃってるじゃん」
私はケントの腕の中。
地元でも有名なラブホの一室で抱かれた。
最近では習慣になってしまったこの行為はもう咲穂に罪悪感なんて感じさせない。
ゴツゴツしたケントの腕は家の枕よりも安心感を与えた。
あの薄暗いビルの一室では、まだ皆が騒いでいるだろう。
咲穂は他の女友達とはしゃいでるはず。
いつも咲穂の隙をみて抜け出す私たち。
毎回やってるこの行為に気づかない咲穂。
気づいてるのかもしれないけど
信じたくなかったんだと思う。
幼馴染と自分の彼氏が寝ているなんて。
「私も生まれ変わったらケントの彼女がいいな」
「その時は誰のとこにも行かないで俺のとこに来てよ」
「じゃあケントもそうしてね」
ケントの天秤にキスをすると、私の唇にケントの唇が重なった。
いろんな男と寝てきたけど
こんなに私を現実から遠ざけられるのはケントしかいない。
天秤と一緒に首をきつく絞めると
ケントは苦しそうな顔をした。
それがまた愛しくて
何度も何度もキスをした。