剣に秘めた決意は君に
「ロイ様っ、申し訳ありません!大丈夫ですか!?」
「大丈夫だよ。何そんなに慌ててるんだよソラ。」
いつもの不敵な笑みではなく、綺麗にすっとあげられた口元を見ては、もう反論するきにはならなかった。
小さい頃から何度も暗殺者に狙われているロイは、半端なく強かった。
だから問題はないのだが、やはり、恐ろしい。
その時、小さな呟き声が聞こえてきて急いでバリアを張る。
しかし、何も起こらない。
その呟き声は、床に這っている刺客からのもので、何かを語りかけようとしているようだった。
「何か話すつもりか?しかしそれは牢で「……子!」」
「だからっ「…神の、子!」」
はっきりとはしていないが、十分に聞き取れる声で彼は言った。
「黒い……髪…紅眼………導師のさが、す子……」
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