剣に秘めた決意は君に





クローズの出て行ったドアを見つめて、ロイが呟く



「ロストにばれてしまった時は、お前はばらさないと分かっていたから安心できた」




「うん、わかってるよロイ王。だけど導師と名乗るあいつがソラちゃんを探してるならあの“結晶”が目当てだろうね」




「ああ。」







ロイはソラと出会う前夜、夢を見ていた。



否、夢ではなかったのかもしれないが。





黒髪に焔のように揺らめく紅眼をした、美しい男の夢だ。



彼は自らを神の中の王だと名乗り、傷だらけであちこちから血を流す姿で若いロイに頭を下げたのだ。






白と黒の混ざり合う空間に一点の赤を、恐ろしく思ったのは今でもはっきりと覚えている。






頭を下げた神は、こう語った。









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