剣に秘めた決意は君に
『この傷が癒えるまで、娘のソラを預かって欲しい。
記憶はすり替えてあるから気にしなくていい。
私は君に無限の能力を感じている。
私がソラを迎えに行くその時まで、守りきることが出来たならば、神の王の地位を与えよう』
若かったロイは、神の王という地位に焦がれた。
貪欲に、その地位を欲した。
そのために子供を一人預かればいいのなら、たやすいことだと思い、次の日、神の言った約束の場所へ向かったのだ。
それが二人の初めての出会いだった。
軽い気持ちだった。
半分信じてさえいなかった。
しかしそこに、ソラはいたのだ。
その姿に、ロイもその従者も、一瞬にして心を奪われた。
ぽつりと倒れていたソラは、意識さえ失ってはいたが、枯れた大地に咲いた花のようで、だれもが癒され心満たされた。
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