剣に秘めた決意は君に






「立ち聞きは良くないな、ソラ。いつからいたんだ?」




「!!!」







頭上から降る声に、油断していたソラの肩がびくりと跳ねる。





「いつからいたんだい?」





もう逃げられないと観念して、口を開く。








「……つい先ほどです。」



「嘘もよくないな」





その時ソラは眉を寄せた。


小さい頃から大切に育ててくれた。


信じられる人だし、決して裏切らない人で




それに考えると脳が正常に働かなくなるような人だった



お互いに嘘は言わないことも約束していたはずだ。




そんなロイの言葉に今は嫌悪感を覚えた。







自分が今ついた嘘より大きな隠し事を、ロイはしていたではないか



信じて、信じてきた唯一の人なのに。








ソラの胸にたちまち負の感情が染み渡る。








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