剣に秘めた決意は君に
二人は何をするでもなく、黙ってその行動を見つめた。
「ねえ、騎士さん、勝負しましょうよー」
だらし無く語尾をのばした話し方をしながら、新米戦士達は二人をぐるりと囲みはじめる。
二人の口は開かれない。
顔布から唯一出ている瞳は、その瞳孔を覗き込んだ者を冷徹さで射殺せるほどに冷たく落ちている。
しかしそれに新米戦士は気づかない。
そして動かない二人がどうやら逃げられないと勘違いしたらしく、顔にニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべる。
一方二人の内心は一時は怒りが破裂しそうなほどになったが、騎士団の動きと比べると呆れるほどに遅い歩に半ば失笑していた。
トルファは極自然な動作でソラの耳元に近寄りそっと囁いた。
「任せて」
「うん。」
その二人にしか聞こえない小さな声をしっかりと捕らえたソラは、トルファの声に返事をした。
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