彼女はまるで風のようで
振り向くとフウカが立っていた。





高校の制服姿を見るのは初めてだ。





「なに見とれてんのよ。」




「いや、その…初めて見るから。」





ふーんといった表情だ。





「事故って嘘だよね?」





僕は直球をど真ん中に投げ込んだ。






「そうだよ。」





フウカは何の迷いもなく打ち返してきた。





「じゃあ、なんであの日掲示板の前に?」





「こっち側に来る覚悟はできてる?」





フウカは間髪入れずに返した。





「うん。」





実際僕に覚悟はなく、好奇心がそう答えた。





「ついてきて。」





フウカはそう言って、僕の手を引き図書室を出た。
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