彼女はまるで風のようで
すると、フウカは引き出しから一枚の写真を取り出し、僕に手渡した。





「これは…。」





どうやら、クラスの集合写真のようだ。





しかし、担任の顔を見たとき驚いた。





それはまぎれもなく母だった。





「ユウタは知っていたはず。浅野三千子が高校にとばされる前に、中学校の教師をやっていたことを。」





確かにその通りだ。
しかし、とばされたという言葉がひっかかる。





「とばされたって…どういうこと?」





「これからする話は、多分初めて聞くと思う。」





それから、フウカは少し間を置いて、話し始めた。
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