有給休暇(たったの12p)
その時だった。カーテンがサァーと開く。
今は看護師と言わなければならない若い看護婦さんが現れ、腰を曲げてガチャガチャと鍵を開ける。
それにしても、気になることがあった。
目に付いたのは、看護婦さんの金髪セミロングとピンクの衣服だ。あれでは夜のコスチュームではないか。
『なんか、エロくない?』
勿論、誰も返事をしてはくれない。美和の心の呟きは、誰にも聞こえはしない。
兎に角、今は朝だ。そんな衣装は夜にでもやってくれれば良い。
腰を曲げると、紫色のブラジャーがガラス越しに見える。そもそも胸もとの緩い制服なんてあったのか?
お爺さんが、それを覗いているような気がしてならない。──いや、ここにいるジジイ達はそれ目当てに違いない。
実は体の具合いなんて、どこも悪くなかったりしないだろうか?
疑いたくもなるのは、自分の体調不良のせいもあるだろう。
それを差し引いても、やはり鼻の下を伸ばし過ぎてはいやしないか? 余計に頭が痛くなってきた。
美和はその光景を冷ややかに見つめる。
『やれやれ……』
そう思ったのは、既に二回目だった。
ガチャリ。ようやく扉の鍵が開く。
いつの間にか列になっていた人々が、扉に張り付いている。
診療所の内側に扉が開く。
その時、美和にとって、信じられないことが起こった。
今は看護師と言わなければならない若い看護婦さんが現れ、腰を曲げてガチャガチャと鍵を開ける。
それにしても、気になることがあった。
目に付いたのは、看護婦さんの金髪セミロングとピンクの衣服だ。あれでは夜のコスチュームではないか。
『なんか、エロくない?』
勿論、誰も返事をしてはくれない。美和の心の呟きは、誰にも聞こえはしない。
兎に角、今は朝だ。そんな衣装は夜にでもやってくれれば良い。
腰を曲げると、紫色のブラジャーがガラス越しに見える。そもそも胸もとの緩い制服なんてあったのか?
お爺さんが、それを覗いているような気がしてならない。──いや、ここにいるジジイ達はそれ目当てに違いない。
実は体の具合いなんて、どこも悪くなかったりしないだろうか?
疑いたくもなるのは、自分の体調不良のせいもあるだろう。
それを差し引いても、やはり鼻の下を伸ばし過ぎてはいやしないか? 余計に頭が痛くなってきた。
美和はその光景を冷ややかに見つめる。
『やれやれ……』
そう思ったのは、既に二回目だった。
ガチャリ。ようやく扉の鍵が開く。
いつの間にか列になっていた人々が、扉に張り付いている。
診療所の内側に扉が開く。
その時、美和にとって、信じられないことが起こった。